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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第73章 眠り姫
「拓海様、鞠子様、そして…海斗様。
お心遣い、ありがとうございます。
莉愛菜は、私と桜のたった一人の娘です。
私共々、莉愛菜を宜しくお願い致します。」
そう言って深く頭を下げた本庄さんの泣いてる顔を見たのはそれが始めてだった。
父さんが本庄さんの横に行って宥める。
それを見ていたら、母さんが俺の肩を抱いた。
ふと見上げると、母さんも泣いている。
俺の頭に頬を寄せ、静かに涙を流してる。
大人も涙を流すほどの悲しみの中に、今あの子はいるのだろうか。
感情を押し殺して生きる大人が、それを出来ない程の悲しみ。
その中にあんなに小さな子がいるのかな?
俺はふと、その子の顔を見てみたいと思った。
「母さん、海來とその子はまだ起きてないの?」
俺が聞くと、母さんは涙を拭いながら口を開いた。
「えぇ。まだ海來の部屋で眠ってるわよ。」
俺はその部屋へ向かった。