この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第73章 眠り姫
ベッドに眠るその子は、まるで絵本の中から飛び出してきたみたいに見えた。
明るい茶色の髪と、真っ白な肌。
そして長い睫毛。
眠っているけど、きっととても可愛らしい顔立ちのはず。
ピンク色のフリフリのワンピースを着てるその子は、絵本から飛び出した、どこかのお姫様のようだ。
そんな乙女チックな事をつい考えてしまう程、その子の寝顔を見つめていた。
よく見ると、泣いた後だからか瞼が赤い。
頬にも涙の跡がある。
「莉愛菜は、雨と雷がトラウマになってしまったようですね。」
そっとその子の手を握りながら本庄さんは静かに言う。
「トラウマって…」
俺は怪訝に思う。
事故の事を聞いて知っている俺は、不思議だった。
トラックがトラウマになるならわかるけど、雨と雷?
「あの日、とても酷い豪雨だったんです。
だから、この子にとってそのイメージが強く残ってしまったんでしょう。」