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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第74章 ただ君を想う


何度握っても握り返してくれない小さな手を更に握りしめる。

「莉愛菜…」

俺は小さく名前を呼んだ。

愛しいその名前を。


ここで眠っている間、久しぶりに夢を見た。


それは俺たちが始めて出逢った時。


あの時もお前は、こうやって眠っていたな。

懐かしい思い出。

莉愛菜はまだ小さかったから忘れているかもしれないが、俺は鮮明に覚えていた。


昔の事を思い出していると、部屋の扉が小さくノックされ開いた。

そこに立っていたのは本庄さん。

本庄さんは憔悴しきっていた。

そりゃそうだよな。

出張先で娘の事故を聞いて飛んで帰ってきた。

父さんと本庄さんが病院に着いた時にはもう手術は終わっていて、俺は莉愛菜のベッドの横で力なく座り込んでいた。

本庄さんは真っ先に莉愛菜の元へ来て、何度も名前を呼んでいた。

涙を流しながら。

あの、俺と莉愛菜が出逢った日以来の本庄さんの涙。


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