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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第74章 ただ君を想う
俺よりも、誰よりも本庄さんが不安だっただろう。
妻だけでなく、娘までいなくなってしまうのかと。
そんな本庄さんは医者から命に別条はないと聞いて、俺と父さんの前で安堵の涙を流した。
あれから俺はほとんど家に帰らず、ひたすら莉愛菜の傍にいる。
本庄さんも、屋敷とここをずっと行ったり来たりしている。
「海斗様、莉愛菜の事任せてしまって申し訳ありません。」
深く頭を下げた。
「顔を上げてくれ。俺がしたくてしてるんだ。」
そういうと、力なく笑った。
「海斗様が莉愛菜の傍にいてくださると心強いです。
私は父親なのに、弱くて…」
ただここにいるだけだと気が滅入ってしまうんだろう。
父さんは、仕事の事は気にしなくていいと言ってるけれど、何かしていないと保っていられないんだと思う。
きっと何度も思い出しただろう。
自分の妻が亡くなった時の事を。