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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第76章 存在意義
目が覚めると、真っ白な天井。
ベッド近くの窓からは、どんよりした雲と、そこから落ちる滴が見える。
雨か…
あたしは、妙に雨に惹かれた。
何故だろう?
ママの夢を見たから?
少し身体を動かしてみる。
体中が軋む。
ずっと眠っていて動かしてなかったし、怪我のせいもあるだろう。
それでもなんとかゆっくりと、時間を掛けて身体を起こす。
呼吸器は外されていたけれど、点滴は付いていた。
あたしは早く、あの雨の元に行きたくて、無理矢理腕から点滴の針を引き抜いた。
そしてユラユラと地面に降り立つ。
裸足のまま病室を出て、壁伝いにヨロヨロ歩く。
あたしは、外の雨を見ることしか頭になかった。
過去の記憶が過って行く。
フラフラしながら歩いてる自分と、過去のあの場所に座り込む自分が交互に現れて、
あたしは今、夢の中なのか、そうじゃないのか、よくわからない。