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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第76章 存在意義
きっと誰かにみつかったら部屋に戻されるところだろうけど、何故かあまり人がいなくて、あたしはあっさりエレベーターに辿り着いた。
そしてそのエレベーターに乗る。
着いたのは最上階。
屋上に続く扉を開いてみると、何故か開いた。
そしてそのまま外に出る。
屋上の割にはあまり風は強くなくて、雨がシトシトと降り続いてる。
どしゃぶりじゃない。
だけど確実にその雨は、あたしの身体を濡らしていく。
ただ静かに、誰かの涙みたいに。
とてもとても高いフェンスに囲まれた屋上で、そのフェンスに近づいて、景色を見る。
そして実感した。
あぁ、あたしはあの暗闇の世界から戻ってきたんだ。
ママが、あたしを戻してくれたんだ。
ママはあたしに笑ってくれた。
あたしが悪いんじゃないって。
だから笑ってって。
それで、いいのだろうか?
あたしの罪は、そんな簡単に許されていいものだろうか?