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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第76章 存在意義
そしてあたしの腰を引き寄せ、抱きしめた。
「莉愛菜っ…莉愛菜っ」
何度もあたしの名前を呼ぶ。
あたしの傷だらけの身体は海斗に強く抱きしめられて悲鳴を上げているけれど、あたしは海斗を突き放す事なんて出来なかった。
海斗がいる。
あたしを抱きしめてくれてる。
海斗の身体は、腕の中は相変わらず暖かくて。
涙が零れた。
「急にいなくなるなといつも言ってるだろ?!
お前は俺の傍にいなくちゃ駄目なんだ。何があっても!!!」
あたしを抱きしめながら目を見て断言する海斗。
その瞳からは静かに滴が零れている。
あぁ、海斗が泣いてる。
いつも強くてカッコいい、凛々しい海斗が泣いてる。
あたしの所為で。
違う、あたしの”為に”。
さっきから、怒って怒鳴りながらもあたしを抱きしめる手がずっと小さく震えてる事に気付いてる。
あたしの愛しい人が泣いてる。
あたしはそっと海斗の頬に手を添えた。