この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第76章 存在意義
すると突然、驚いた顔をする海斗。
冷たい手で、海斗の頬を包み込む。
「泣いて、るの…?」
あまり出していない声は、さっきと同様やはり小さく掠れてしまって。
それでも
「泣か…ないで、っ…かい、と」
あたしが名前を呼ぶと、途端に顔を歪めた海斗の瞳から、ポタポタと溢れる滴。
その滴があたしの頬を濡らしていった。
あたしの為に、泣かないで。
笑って。
泣くんじゃなくて、笑ってほしいの。
そうしたら、あたしも笑える気がするから。
あなたが笑ってくれるなら、あたしもまた笑えるから。
その時気付いた
ママもきっとそうだったんだ
今のあたしと同じ気持ちだったのかも
大好きな人には笑っていてほしい
自分の所為で泣く姿より、自分の事で笑ってる姿が見たい
きっとママも、
そう思ってくれていたんでしょ?
そう思って、ずっと見守っていてくれたんでしょ?