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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第76章 存在意義


すると突然、驚いた顔をする海斗。


冷たい手で、海斗の頬を包み込む。


「泣いて、るの…?」


あまり出していない声は、さっきと同様やはり小さく掠れてしまって。

それでも


「泣か…ないで、っ…かい、と」


あたしが名前を呼ぶと、途端に顔を歪めた海斗の瞳から、ポタポタと溢れる滴。

その滴があたしの頬を濡らしていった。


あたしの為に、泣かないで。

笑って。

泣くんじゃなくて、笑ってほしいの。

そうしたら、あたしも笑える気がするから。

あなたが笑ってくれるなら、あたしもまた笑えるから。





その時気付いた


ママもきっとそうだったんだ

今のあたしと同じ気持ちだったのかも


大好きな人には笑っていてほしい

自分の所為で泣く姿より、自分の事で笑ってる姿が見たい


きっとママも、
そう思ってくれていたんでしょ?

そう思って、ずっと見守っていてくれたんでしょ?


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