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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第77章 君の笑顔
自分でもわからないうちに、気付いたら涙が出ていた
それを拭うこともせず、ただ莉愛菜を見つめて言った
莉愛菜の心に届くように
必死に願いながら
するとふいに感じた冷たさ
俺の頬を莉愛菜の手が包んでいた
その冷えた手を震わせながら莉愛菜が小さく掠れた声を出した
今まで反応が無かった莉愛菜がここに来て始めて反応を見せてくれた
そして俺に言う
”ないてるの?”と
莉愛菜が俺を見てる
うつろだった瞳が、ちゃんと俺を捉えている
それだけで俺は救われたような気持ちになった
そして俺を呼ぶ
”泣かないで、海斗”
久しぶりに呼ばれた名前
ずっと呼ばれたかった
愛しい君に、呼ばれたかったんだ
何度も願った
眠り続ける君に
その瞳に俺を映してほしい
その唇で、優しい声で、俺の名を呼んで欲しいと
それが幻じゃないと確信したくてもう一度呼ばせると、掠れた声が返ってきた