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恋こころ
第5章 コスチューム プレイ ?
先に手を離したのは千佳ちゃんで。拓真さんはギューッと私のお腹を抱き締めてから腕を解いた。
下から見上げてくる上目遣いの眼差し。ドキッとして、でも目を離せない。
私を捉えた拓真さんの目がふうっと弧を描く。口元から覗く鋭い牙、右だけ上がった口角。少し意地悪な艶を帯びた微笑みに一気に頬が熱くなった。
慌てて目を逸らして桐生さんの方へ向き直る。拓真さんの膝の間から一歩前へ出て、空いていた手を握られた。
「真純」
「っ!」
立ち上がった拓真さんが後ろから包んでくる。
「それ、飲みながら千佳とここで待ってて」
耳元から聞こえた甘い声。ドキドキを通り越して、胸が苦しい。
拓真さんはすぐに腕を解いて身体を離すと
「片付けて来ます。真純をお願いします」
桐生さんにそう言ってキッチンへ戻って行ってしまった。
桐生さんも今日は片付けを免除されていて、三人でカウンターで話しながら拓真さんを待つことになった。
佐伯さんはバックヤードにいるらしく、キッチンにいるのは拓真さんと金場さんの二人。手際よく洗い物を済ませ、キッチンを磨きあげて行く姿は格好いい。それが洋装の吸血鬼と和装の鬼と言うのが少し不思議なんだけど……
下から見上げてくる上目遣いの眼差し。ドキッとして、でも目を離せない。
私を捉えた拓真さんの目がふうっと弧を描く。口元から覗く鋭い牙、右だけ上がった口角。少し意地悪な艶を帯びた微笑みに一気に頬が熱くなった。
慌てて目を逸らして桐生さんの方へ向き直る。拓真さんの膝の間から一歩前へ出て、空いていた手を握られた。
「真純」
「っ!」
立ち上がった拓真さんが後ろから包んでくる。
「それ、飲みながら千佳とここで待ってて」
耳元から聞こえた甘い声。ドキドキを通り越して、胸が苦しい。
拓真さんはすぐに腕を解いて身体を離すと
「片付けて来ます。真純をお願いします」
桐生さんにそう言ってキッチンへ戻って行ってしまった。
桐生さんも今日は片付けを免除されていて、三人でカウンターで話しながら拓真さんを待つことになった。
佐伯さんはバックヤードにいるらしく、キッチンにいるのは拓真さんと金場さんの二人。手際よく洗い物を済ませ、キッチンを磨きあげて行く姿は格好いい。それが洋装の吸血鬼と和装の鬼と言うのが少し不思議なんだけど……