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恋こころ
第1章 お家へ帰ろう
両手で頬を覆い、親指でそっと目尻を拭う。何度拭ってもすぐに濡れて切りがない。
一旦離れ、カウンターからボックスティッシュを取って来た。
「ありがとうございます」
受け取る真純が身体を縮こまらせる。そばにいると恥ずかしがるだろうから、ポンポンと軽く頭に触れて立ち上がった。
キッチンへ入り、ソムリエナイフを持って戻る。テーブルにそれを置いて、落ち着いたらしい真純の前にもう一度膝を着いた。
「貸して?」
その手から箱を受け取りリボンを解く。黙って見下ろす真純に見えるように、箱からビロード地の箱を取り出した。真純の手にまた乗せる。
「開けて?」
眉を下げ、じっと俺を見詰める瞳。またじわりと潤みだす。
「……はい」
真純は小さく応えて視線を落とした。ゆっくりと蓋を開ける。
ヒュッと息を吸い込む音の後
「ひっぃいん」
真純が泣き出した。こぼれ落ちる涙を拭いもせず、大きくしゃくりあげる。
あー
可愛くて、参る
動きを止めてしまった彼女に代わり、箱からリングを取り出した。
「真純、手頂戴」
敢えて左右を指定せずに左手を差し出すと、泣きながら見上げてくる。
一旦離れ、カウンターからボックスティッシュを取って来た。
「ありがとうございます」
受け取る真純が身体を縮こまらせる。そばにいると恥ずかしがるだろうから、ポンポンと軽く頭に触れて立ち上がった。
キッチンへ入り、ソムリエナイフを持って戻る。テーブルにそれを置いて、落ち着いたらしい真純の前にもう一度膝を着いた。
「貸して?」
その手から箱を受け取りリボンを解く。黙って見下ろす真純に見えるように、箱からビロード地の箱を取り出した。真純の手にまた乗せる。
「開けて?」
眉を下げ、じっと俺を見詰める瞳。またじわりと潤みだす。
「……はい」
真純は小さく応えて視線を落とした。ゆっくりと蓋を開ける。
ヒュッと息を吸い込む音の後
「ひっぃいん」
真純が泣き出した。こぼれ落ちる涙を拭いもせず、大きくしゃくりあげる。
あー
可愛くて、参る
動きを止めてしまった彼女に代わり、箱からリングを取り出した。
「真純、手頂戴」
敢えて左右を指定せずに左手を差し出すと、泣きながら見上げてくる。