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恋こころ
第1章 お家へ帰ろう
明日は日曜。俺は昼前から仕事だけど、真純は休み。
どうやら荷解きは済んだ様だし、朝急いで起こす必要もない。
この様子だと、何をしても明日には忘れてくれるに違いない。

と、くれば、ね?

ナニしよっか?

頭を過ぎるのは口にするのも憚れる卑猥な妄想。いくら忘れるだろうからって、同棲初日にする事じゃない。

またグラスを傾けた真純が嬉しそうに微笑む。真っ直ぐで穢れないその笑顔。

俺の欲にまみれた心を洗ってくれないかな。

「拓真さんは飲まれないんですか?」
そんな俺の内心を知る由もなく、真純が首を傾げて見上げてくる。自然上目遣いになって。その赤い目元にナニかを強請られてるようで顔がにやける。

飲んでイイの?
真純、を

…………

ダメだな、俺。
今頭ん中ソレばっか。

思っていても口には出来ない。
「もらおう、かな」
グラスの底に残っていた分を飲み干すと、真純が笑顔で新たに注いでくれた。手慣れていない感じがまた、良い。
とか考える辺り、ホント真純に溺れてる。自覚する。

ワインクーラーにボトルを戻す音がカランと響いた。
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