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恋こころ
第1章 お家へ帰ろう
「ふっ、ん……」
漏れる吐息。膝を擦り合わせて真純が腰を捩った。
その反応に思わず口元が緩む。
とは言え、いくら俺でも寝入ったばかりの真純をどうこうする気はない。飛ばして引き戻す事はあっても、だ。
何より起きてなければ、恥らいながら上気する白く滑らかな肌や否と訴えながらも蜜を溢れさせ、甘えた声で俺を強請る様を堪能する事はできない。どちらも俺の好物で、欠くなんて勿体ない。

乱した裾を整え、布団を掛けて真純をくるんだ。
枕の左右に手を着いて、覆い被さるように額に口付ける。次いで左の目蓋に、その目尻に、柔らかな頬へと唇で辿って行く。最後に薄く開いた唇を啄んで上体を起こした。
見下ろす真純は夢の中。何かいい夢でも見てるのが、幸せそうに笑ってる。
頭を撫でて風呂に入ろうと思った。
柔らかな栗色の髪をすくようにして撫でる。一回、二回……
俺の手が触れる度に真純の笑みが柔くなる。些細な変化がでも嬉しくて何度となく繰り返す。
真純の口元が次第にほどけ
「た、くま、さ……」
いつもより少し高い甘えた声。
俺の名をなぞり、実に嬉しそうに微笑む彼女に心臓が大きく跳ねた。

不意討ち、だ

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