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恋こころ
第1章 お家へ帰ろう
肘をベッドに付き、真純の頭を抱え込むようにして額を枕に押し当てた。そこでそっと息を吐く。
急速に早まった心臓の拍動。柄になく、顔が熱い。
ただ寝言で名前を呼ばれただけ。それがこんなにも嬉しい。
「ますみ……」
彼女を起こさないよう、頭を起こして額を重ねた。じわりと伝わってくる温もり。自然に頬が緩む。
「愛してる」
小さく囁いて、もう一度額に口付けた。
「ん……」
布団の下で真純が身動ぐ。

あ、ヤバい
起こした?

焦って上体を浮かせたところへ絡んで来た細い腕。

!?

思いがけず引き寄せられて首に真純の吐息が掛かる。そこから一気に熱が上がった。
「ます、み?」
「……き」
少し掠れた甘い声。

き?

「す、き」

っ!

「た、くまさ……すき……大す、き……」

…………ム、リ

脳天をぶち抜かれた。
言葉がたどたどしいのは真純がまだ寝ている証。分かっていても我慢出来ない。
腕を滑らせ、華奢な身体を布団ごとキツく抱き締める。
「ますみっ」
「んんっ!」
布団の中で真純が身体を縮こめたのが分かった。
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