この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋こころ
第3章 幸せな誓いを
顔をしかめた俺に兄貴がはっと短く笑う。
「お前がクサレでも、真純ちゃんだからな」
「うるせえよ。ならないって言ってるだろう」
兄貴が女絡みで穏やかな顔になるのは真純の話をする時だけ。認めてもらえたのは嬉しいが……
「あんな良い娘、泣かすなよ」
「……泣かさねぇよ」
なぁ兄貴。
兄貴は今のままで良いって思ってんの?
めちゃくちゃやりつつも本心では女性不信を何とかしたいと思っているように見えて。そんな試すような事ばっかやってないで、一度位腹を据えて向き合ってみろと思ってしまう。
まぁ、俺がそんな事を思えるのは真純のお蔭なんだけど……
「なぁ、」
「斎藤さま」
兄貴に声を掛けようとして、障子の外からの声に遮られた。
「あ、はい」
聞こえていたのかいないのか、障子を開けに行った兄貴の表情は読めない。
「お待たせいたしました」
庭に面した廊下に控えていたのは介添えに付くと挨拶に来た神社の巫女で。言いかけた言葉は宙に消えた。
「花嫁様のお支度が出来ました。お迎えに参りましょう」
「お、良いね。真純ちゃんの白無垢姿か」
軽い口調の兄貴に巫女が笑顔で頷いた。
「はい、大変美しい花嫁様でいらっしゃいます」
「お前がクサレでも、真純ちゃんだからな」
「うるせえよ。ならないって言ってるだろう」
兄貴が女絡みで穏やかな顔になるのは真純の話をする時だけ。認めてもらえたのは嬉しいが……
「あんな良い娘、泣かすなよ」
「……泣かさねぇよ」
なぁ兄貴。
兄貴は今のままで良いって思ってんの?
めちゃくちゃやりつつも本心では女性不信を何とかしたいと思っているように見えて。そんな試すような事ばっかやってないで、一度位腹を据えて向き合ってみろと思ってしまう。
まぁ、俺がそんな事を思えるのは真純のお蔭なんだけど……
「なぁ、」
「斎藤さま」
兄貴に声を掛けようとして、障子の外からの声に遮られた。
「あ、はい」
聞こえていたのかいないのか、障子を開けに行った兄貴の表情は読めない。
「お待たせいたしました」
庭に面した廊下に控えていたのは介添えに付くと挨拶に来た神社の巫女で。言いかけた言葉は宙に消えた。
「花嫁様のお支度が出来ました。お迎えに参りましょう」
「お、良いね。真純ちゃんの白無垢姿か」
軽い口調の兄貴に巫女が笑顔で頷いた。
「はい、大変美しい花嫁様でいらっしゃいます」