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恋こころ
第3章 幸せな誓いを
「まぁ、幸せな涙ですね」
介添えの巫女がすかさず白いハンカチで真純の目元を押さえてくれた。
穏やかに微笑む巫女に、真純が眉を下げたまま困った様に笑う。
「花嫁様は笑顔が一番です」
にっこりと頷かれ、真純の笑みが和らいだ。
控え室のあった建物を出て境内の中を歩いて社殿へ向かう、所謂花嫁道中、参進の儀。神職と二人の巫女に先導され、真純と俺、兄貴達が続く。
大安の祝日、今日が晴れて良かった。初夏の陽射しに照らされ、丁度見頃のツツジの花が境内を鮮やかに彩る。
うん、やっぱりここにお願いして良かった。
その景色に一人頷いて、周りを見渡す。
自意識はそう強くない方だが、今日ばかりは見ず知らずの参拝客から視線を集めている気になって。隣に並ぶ真純を見下ろし、まぁ当然かと納得する。
こんなに綺麗で可愛い花嫁そうそう居ない。
その真純は慣れない足元に下を向いたまま。慎重に歩いてる。
躓かないよう気を付けているんだろうが、少しは今を楽しんで欲しい。
「大丈夫?」
「あ、はい……何だか緊張して……」
声を掛けても俯いたまま。
この様子だとせっかくの花景色も見ないままに終わってしまう。
介添えの巫女がすかさず白いハンカチで真純の目元を押さえてくれた。
穏やかに微笑む巫女に、真純が眉を下げたまま困った様に笑う。
「花嫁様は笑顔が一番です」
にっこりと頷かれ、真純の笑みが和らいだ。
控え室のあった建物を出て境内の中を歩いて社殿へ向かう、所謂花嫁道中、参進の儀。神職と二人の巫女に先導され、真純と俺、兄貴達が続く。
大安の祝日、今日が晴れて良かった。初夏の陽射しに照らされ、丁度見頃のツツジの花が境内を鮮やかに彩る。
うん、やっぱりここにお願いして良かった。
その景色に一人頷いて、周りを見渡す。
自意識はそう強くない方だが、今日ばかりは見ず知らずの参拝客から視線を集めている気になって。隣に並ぶ真純を見下ろし、まぁ当然かと納得する。
こんなに綺麗で可愛い花嫁そうそう居ない。
その真純は慣れない足元に下を向いたまま。慎重に歩いてる。
躓かないよう気を付けているんだろうが、少しは今を楽しんで欲しい。
「大丈夫?」
「あ、はい……何だか緊張して……」
声を掛けても俯いたまま。
この様子だとせっかくの花景色も見ないままに終わってしまう。