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恋こころ
第3章 幸せな誓いを
乱された頭を手櫛で整えていると、真純が躊躇いがちに俺を見上げハンカチを返してくれた。
「あ、ありがとうございました」
……あー、やばい
綿帽子から覗く上目遣い。隠れた眉がハの字を描いてるのは容易に想像出来て。ドクンと心臓が高鳴った。
可愛くて堪らない。
今すぐ抱き締めてキスをしたい……
愛しさに、息が詰まる。
何とか衝動を抑え、受け取ったハンカチを懐に戻して袷を整えた。
俺の手元を見ていた真純に改めて手を差し出す。
「行こうか」
手の動きをそのまま目で追っていた彼女の頬に赤みが差す。
恥ずかしそうに俯いてそっと合わさった手。何とも言えない幸福感に、自然と笑みが浮かんでくる。
緊張で冷たくなった指先を包んだ後、指を交互に絡めて繋ぎ直した。
じっと見詰めていた手から視線を外し、真純がゆっくりと顔を上げる。また少し赤みの増した目元。涙に潤む瞳。緊張した面持ちがふうっと綻び、柔らかな笑みに変わった。
真っ直ぐに俺を見上げ、繋いだ手をキュッと握って。
「はい」
頷いてくれた真純の笑顔は嬉しそうで。愛おしく思うのと同時、身が引き締まる。
幸せは二人で築いて行くものだけど、最後までこの笑顔を守れる男でありたい。
胸の中の誓いを新たに真純の手を握る。
寄り添う様に距離を詰め、二人一緒に歩き始めた。
side 拓真 了
「あ、ありがとうございました」
……あー、やばい
綿帽子から覗く上目遣い。隠れた眉がハの字を描いてるのは容易に想像出来て。ドクンと心臓が高鳴った。
可愛くて堪らない。
今すぐ抱き締めてキスをしたい……
愛しさに、息が詰まる。
何とか衝動を抑え、受け取ったハンカチを懐に戻して袷を整えた。
俺の手元を見ていた真純に改めて手を差し出す。
「行こうか」
手の動きをそのまま目で追っていた彼女の頬に赤みが差す。
恥ずかしそうに俯いてそっと合わさった手。何とも言えない幸福感に、自然と笑みが浮かんでくる。
緊張で冷たくなった指先を包んだ後、指を交互に絡めて繋ぎ直した。
じっと見詰めていた手から視線を外し、真純がゆっくりと顔を上げる。また少し赤みの増した目元。涙に潤む瞳。緊張した面持ちがふうっと綻び、柔らかな笑みに変わった。
真っ直ぐに俺を見上げ、繋いだ手をキュッと握って。
「はい」
頷いてくれた真純の笑顔は嬉しそうで。愛おしく思うのと同時、身が引き締まる。
幸せは二人で築いて行くものだけど、最後までこの笑顔を守れる男でありたい。
胸の中の誓いを新たに真純の手を握る。
寄り添う様に距離を詰め、二人一緒に歩き始めた。
side 拓真 了