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恋こころ
第3章 幸せな誓いを
『今日が凄く嬉しい。ありがとう』
すぐ近くで囁かれた言葉に身体が震えた。
目頭がジーンと熱くなって。拓真さんの腕に手を添える。
『拓真さん……』
ありがとうを伝えたいのに、その言葉を口にしたら涙が零れてしまいそうで。何も言えなくなってしまった。
私が泣いてると心配してくれた克己さんに腕を解かれてしまったけど、あのまま拓真さんに包まれていたら本当に泣いてたと思う。
それ位、嬉しかった。

拓真さんにはたくさん感謝してる。
参進の儀の時もそう。拓真さんが声を掛けてくれなかったら、きっと私は緊張で足元を見たまま。周りの景色やツツジの花を楽しむ事も、参拝にいらしていた皆さんが祝福して下さっている事に気付く事もなかった。
みんなの前でキスされたのはびっくりしたし、すごく恥ずかしかったけど、拓真さんに愛されてるのを感じられて、それ以上に嬉しかった。その後手を握ってもらえたのも……

社殿に着いて二人並んで神様の前に座る。お祓いを受けて、厳かな空気の中執り行われた式。
三献の儀(三三九度の盃)の後、拓真さんの誓詞奏上(誓いの言葉)にまた泣きそうになってしまった。
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