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恋こころ
第3章 幸せな誓いを
だって、拓真さん中学に上がる頃完全に諦めたって……
その後は忘れてたって……
驚いて拓真さんを見上げる。
「見んな」
珍しく荒い口調で頭を抱き寄せられた。押し当てられたスーツから少し早い拓真さんの鼓動が響いてくる。
「千、お前忙しいんだろうが」
不機嫌をそのままぶつけるような物言い。
「今日は、ありがとう」
でも、お礼を述べる口調は改まっていて。
「あぁ。式、行けなくて悪かった。今度また二人で泊まりに来てよ」
返す久遠さんも落ち着いていた。拓真さんに頭を放してもらい
「ありがとうございました」
振り返ってお礼を伝えると
「今日は時間までゆっくりして行って」
始めと同じ甘やかな笑みを残し、久遠さんは仕事に戻って行った。
部屋に二人残されて、一人そわそわ落ち着かない。
忘れてしまった事を申し訳なく思いながらも、そこまで気にして貰えていたことか嬉しくて。
意味なく戴いた名刺の角をなぞっていたら拓真さんに腰を引き寄せられた。
「あいつ、プライベートで名刺を渡すことは滅多にないんだ。それ、貰っておくと良いよ」
「はい」
そう言ったのは拓真さんなのに、白い名刺は取り上げられて、フルーツの並ぶテーブルの上。
その後は忘れてたって……
驚いて拓真さんを見上げる。
「見んな」
珍しく荒い口調で頭を抱き寄せられた。押し当てられたスーツから少し早い拓真さんの鼓動が響いてくる。
「千、お前忙しいんだろうが」
不機嫌をそのままぶつけるような物言い。
「今日は、ありがとう」
でも、お礼を述べる口調は改まっていて。
「あぁ。式、行けなくて悪かった。今度また二人で泊まりに来てよ」
返す久遠さんも落ち着いていた。拓真さんに頭を放してもらい
「ありがとうございました」
振り返ってお礼を伝えると
「今日は時間までゆっくりして行って」
始めと同じ甘やかな笑みを残し、久遠さんは仕事に戻って行った。
部屋に二人残されて、一人そわそわ落ち着かない。
忘れてしまった事を申し訳なく思いながらも、そこまで気にして貰えていたことか嬉しくて。
意味なく戴いた名刺の角をなぞっていたら拓真さんに腰を引き寄せられた。
「あいつ、プライベートで名刺を渡すことは滅多にないんだ。それ、貰っておくと良いよ」
「はい」
そう言ったのは拓真さんなのに、白い名刺は取り上げられて、フルーツの並ぶテーブルの上。