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恋こころ
第3章 幸せな誓いを
包み込むように抱き締められて、ドキドキする。名刺の事は一先ず置いておいて。大きな背中に腕を回し、拓真さんにギュッと抱き付いた。
同じ様に腕に力を込めて返してくれる。頭の上から聞こえたはぁと息を吐く音。
「やっと、真純と二人になれた」
思わず漏れた様に小さく呟かれた言葉。胸がキュンとなる。
「ここ、何時に出るんだっけ?」
「羽田発四時半なので、ここを三時には出たいです」
「ん、了解」
あと一時間半しかない。それは拓真さんも分かってると思うのに、私を包む腕が緩む気配はない。
「た、拓真さん?」
「うん?」
「着替えないと、すぐに時間になっちゃいますよ?」
「……んー」
返された声が鈍い。
顎を頭にグリグリと押し付けてくる。痛くはないけれど、せっかく結い上げてもらった髪が乱れてしまった。
洗っても改めてセットする時間もあまりないし、生花だけ外してそのまま行こうと思ってたのに……
「た、くまさん?」
「……うん」
やっぱり鈍い返事に心配になる。
「大丈夫ですか?」
トントンと背中を叩いて身体を離そうとしたけれど、却って強く抱き締められてしまった。
同じ様に腕に力を込めて返してくれる。頭の上から聞こえたはぁと息を吐く音。
「やっと、真純と二人になれた」
思わず漏れた様に小さく呟かれた言葉。胸がキュンとなる。
「ここ、何時に出るんだっけ?」
「羽田発四時半なので、ここを三時には出たいです」
「ん、了解」
あと一時間半しかない。それは拓真さんも分かってると思うのに、私を包む腕が緩む気配はない。
「た、拓真さん?」
「うん?」
「着替えないと、すぐに時間になっちゃいますよ?」
「……んー」
返された声が鈍い。
顎を頭にグリグリと押し付けてくる。痛くはないけれど、せっかく結い上げてもらった髪が乱れてしまった。
洗っても改めてセットする時間もあまりないし、生花だけ外してそのまま行こうと思ってたのに……
「た、くまさん?」
「……うん」
やっぱり鈍い返事に心配になる。
「大丈夫ですか?」
トントンと背中を叩いて身体を離そうとしたけれど、却って強く抱き締められてしまった。