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恋こころ
第3章 幸せな誓いを
上機嫌な時の拓真さんは何故か私の世話を焼きたがる。
今も、そう。自身はバスタオルを腰に巻いたまま、身体を拭き終えた私の着替えを手伝い、髪を乾かした後、大丈夫と言っているのにまた抱き上げてベッドまで連れて行ってくれた。
「あ、ありがとうございます」
「ん」
ふふっと笑い、私の額にキスをする。
「ちょっと待ってて。お茶煎れてくる」
「だっ大丈夫です」
続いた言葉に慌てて首を左右に振った。
「拓真さんも服着て下さい。風邪ひいちゃいます。お茶は自分で煎れられますから」
拓真さんの事が心配なのと、目のやり場に困るのと。さっきから何度も繰り返してきた言葉に、拓真さんは漸く頷いてくれた。

寝室に一人残されて小さく息を吐く。

『いっぱい仲良くしようね』

そう言いながら悪戯をしてきた拓真さん。含むようなその口調。
拓真さんの言葉が沖縄に行った時の事をなぞっているのは明らかで。

また旅行の大半をホテルで過ごす事になるのかな……

それは凄く恥ずかしいけど、愛されてる実感に嬉しくもあって。じわりと頬が熱くなる。知れず緩みそうになった口元をキュッと引き締めた。

もう、駄目だから……


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