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恋こころ
第3章 幸せな誓いを
クスリと笑った拓真さんが湯飲みをローテーブルに置いた。私の手にあるそれも取り上げ、そのまま距離を詰められて。
目の前で艶然と微笑まれてクラクラする。
「真純と寝るのは俺だけ、ね」
「……っ!」
言われた事を理解した時には唇が重なっていた。初めから差し込まれた舌に震える身体。

結果、お化粧の時間も電車を乗り継ぐ時間もなくなって。私はタクシーの中でこそこそとメイクアップ。
空港で待ち構えていた地上乗務員さんに連れられ、飛行機に乗り込む羽目になってしまった。
辛うじて出発時間は遅らせずに済んだけど……

拓真さんと並んで座る。一つ一つが独立した座席。手を繋げない事に顔をしかめた拓真さんは大人しく腕を組んで眠ってる。
形の良い眉の下、閉ざされた目蓋を縁取る長い睫毛。少し下がった目尻。スッと通った鼻筋にキュッと口角の締まった薄い唇。
そう言えば、拓真さんの寝顔を見た事はあまりない。
夜は飛ばされなくても拓真さんの腕の中に包まれてると安心してすぐに眠って仕舞うし、朝は私がそんなに早く起きられない。

寝顔も格好いいな……

何て、のろけ以外何物でもない事を考えながら自然と口元が綻ぶ。
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