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すくらんぶる
第1章 救いの手
未羽は改めて航太のことが悪魔だと思えた。
こんな人間をどうして好きになってしまったのだろうと思うと、胸が締め付けられる。
数日前まではこの道を、笑顔で通っていたのに。
手を繋いで別れが惜しくて、バイバイという言葉を言うのが辛いほどだったのに。
今までの4年間はなんだったんだろう、と思うと涙が出そうだった。
今は航太の近くに居たくない、一人になりたい。
そんなことを航太に対して思ったのは初めてのことだった。
「じゃあね、未羽」
『うん‥‥』
「あ、メールはすぐに返してね。裏切ったりしたら‥‥わかってるよね?」
『‥‥うん』
航太は満足げな笑みを未羽に残し、くるっと背を向け帰っていった。
緊張の解けた未羽は、その場に座り込んでしまいそうになるのを必死で抑え、電車に乗る。
精神的にぐったりだった。
本当は誰かにすがりたいけど、友達に相談したら航太にすぐばれそうだ。
航太は顔が広いし、万が一のことを考えると気が引けた。
『これくらいだったら、いいよね‥‥』
未羽はあるゲームサイトに登録していた。
そこでの日記に愚痴をこぼした。
【自由になりたい。心の底から笑って過ごしたい】
それを書いただけでも、未羽の心は軽くなった。

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