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第12章 俺のこと…

「湊だって彼女いたんでしょ？
好きで付き合ってたんじゃないの？」


『あ？告られたから。』


私と一緒じゃないか‼︎

いや…違うか。


湊はモテるけど。

私は無いな…


「モテんだから、そんなに無碍にする事も無いんじゃないの？
中には良い子もいると思うよ？」


『ハッ。んな奴いねぇよ。』


「何で？そんなの分からな..」


私の言葉を遮るように、
湊は言葉を重ねた。


『その中に、俺の中身を知って告ってくる奴がどんだけいると思う？』



（え…）



『告ってくる女はな、俺の外見しかみてねぇの。俺の事をアクセサリーとしか思ってねぇんだよ。

周りから羨ましいと思われたい。
ただそれだけだ。』


湊の話を聞いていると、胸がズキッと痛むような苦しさを覚えた。



何で…？
どうしてそんなに卑屈になんの？



「湊の中身を見てくれる人は
ちゃんといるよ。」


『そんな奴い..』


「私がいるじゃん‼︎

最初は湊のこと嫌いだった。
表では優しいフリして、裏では毒吐いて。何だコイツ‼︎って思ってた。

でも…私が思ってたほど
嫌な奴じゃなかった…。

湊は相手を思える良い奴だよ。
だからそんな風に自分の..⁉︎」



湊は私の両頬をプニっと指で摘むと
横へ引っ張った。



「ひょ‼︎いひゃい〜‼︎」


『お前。それ褒めてんの？』


頬っぺたから湊の手を離そうと抵抗する私を見て、湊はククッと笑っていた。