この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BLACK WOLF~crime~
第7章 火ノ鳥
「はぁ?舞のせいじゃねぇだろ…っ、いたた…っ」

「でも…っ」


私と関わったせいでこんな目に遭ってるんだ。

さっさと私なんかのそばから離れていれば…、こんな事には…っ!

「バカ…、俺が好きでお前の心配してんだから、んな顔するなって」

ハルちゃんの顔を拭く私の頭を優しく撫でてくれた。

その笑顔は…、いつものあのハルちゃんの笑顔だった。

こんなにたくさん血が出てて熱まであって、ハルちゃんの方が辛いはずなのに…。

こんな時にまで私の心配なんかしないでよ…。


ハルちゃんの優しさに胸が締め付けられる思いがした、が

私の心の中はそれだけじゃなかった。




……本当に黒埼さんが桜木さんのお父さんを自殺に追い込んだの?

桜木さんの話しは全て本当だったの?

私の両親も黒埼さんに融資してもらってた身だから、桜木さんの事は他人事には思えない。

でも、本当に桜木さんのお父さんを…?




…信じてたものが一気に崩壊したような気がした。

黒埼さんは確かにワンマンな社長さんだけど、過去に本当にそんな酷いことをしてたの?

黒埼さん…

黒埼さん…



涙が出そうな瞳。

込み上げる涙を堪えようとギュッと目を閉じた。

私が泣いたらハルちゃんが心配しちゃう。

こんなところで泣けない…

ハルちゃんの前で、こんな時に泣けない…。



「黒埼なら大丈夫だよ」





━━━━━━━━━っ!?



「…え?」









ハルちゃん…?

今、何を…?



まるで…、私の心を読んだかのような、そんな一言。


私が今、黒埼さんの事を考えてたって、ハルちゃんは見抜いてしまった。

今にも泣き出しそうな不安げな顔をした私を慰めるような声と言葉。

/225ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ