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BLACK WOLF~crime~
第7章 火ノ鳥
ハルちゃんは、片手を顔に乗せて目を塞ぐような格好でそう呟いた。
「どうして…、いきなりそんな事…」
どうしてわかったの?
私が今、黒埼さんの事を考えてたって…。
「そんな泣きそうな顔しやがって、すぐにわかるっつーの。
お前昔っから嘘つけねぇやつだったもんな…」
ハルちゃんの声が心無しか少し元気に聞こえた。
それにこの口調…、いつも私をからかう時の口調だ。
っていうか、今私そんな顔してたの…?
そんなわかりやすい表情だったの…?
急に恥ずかしくなった私は両手で顔を覆った、が
腕で目隠しをするような体制のハルちゃんには見えてないだろうけど。
「…確かに黒埼は悪い奴だよ。
何考えてるかわかんねぇし、卑怯だし、根性腐ってるし、自己中だし、変態だし、ワンマンだし、典型的な嫌な金持ちだし、ちょっとナルシスト入ってるし」
「…ハルちゃん、言い過ぎだよ」
ハルちゃんは黒埼さんを嫌ってる。
確かに、今までやられた事を考えると嫌ってても無理はない。
だけど、よくもまぁそれだけの悪口がずらずらと出てくるものだ。
ハルちゃん、私より黒埼さんに詳しいかも…。
「でもあいつは…、自分の私利私欲だけで動く男じゃねぇだろ?」
「え…?」
「桜木の親父の会社が潰れたのだって、きっと他に訳があったんだよ。黒埼だけのせいじゃねぇ。だから、舞が自分を責める必要なんかねぇって」
…ハルちゃん。
「あの…」
「……もうだいぶ楽になった。サンキュー」
そう言ってハルちゃんは私に背中を向けるようにして寝返りを打った。
…ハルちゃんだって嘘のつけない人だ。
その寝返り、照れ隠しだってバレてるよ。
「どうして…、いきなりそんな事…」
どうしてわかったの?
私が今、黒埼さんの事を考えてたって…。
「そんな泣きそうな顔しやがって、すぐにわかるっつーの。
お前昔っから嘘つけねぇやつだったもんな…」
ハルちゃんの声が心無しか少し元気に聞こえた。
それにこの口調…、いつも私をからかう時の口調だ。
っていうか、今私そんな顔してたの…?
そんなわかりやすい表情だったの…?
急に恥ずかしくなった私は両手で顔を覆った、が
腕で目隠しをするような体制のハルちゃんには見えてないだろうけど。
「…確かに黒埼は悪い奴だよ。
何考えてるかわかんねぇし、卑怯だし、根性腐ってるし、自己中だし、変態だし、ワンマンだし、典型的な嫌な金持ちだし、ちょっとナルシスト入ってるし」
「…ハルちゃん、言い過ぎだよ」
ハルちゃんは黒埼さんを嫌ってる。
確かに、今までやられた事を考えると嫌ってても無理はない。
だけど、よくもまぁそれだけの悪口がずらずらと出てくるものだ。
ハルちゃん、私より黒埼さんに詳しいかも…。
「でもあいつは…、自分の私利私欲だけで動く男じゃねぇだろ?」
「え…?」
「桜木の親父の会社が潰れたのだって、きっと他に訳があったんだよ。黒埼だけのせいじゃねぇ。だから、舞が自分を責める必要なんかねぇって」
…ハルちゃん。
「あの…」
「……もうだいぶ楽になった。サンキュー」
そう言ってハルちゃんは私に背中を向けるようにして寝返りを打った。
…ハルちゃんだって嘘のつけない人だ。
その寝返り、照れ隠しだってバレてるよ。