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快楽の奴隷
第10章 幻のいる間
「やり過ぎたな。ごめん。怖かったよな?」

子供をあやすように抱き締めて頭を撫でてやると、花純は胸に耳を当てて彼の心音を聞きながら落ち着いていく。

「怖かった……レイプされてると思った……」
「守衛もいてセキュリティだって確かだし、いきなりこんな不審者入って来ないって」

頭をポンポンと弾むように撫でながら高梨は小さく笑う。

「だって……香水……匂いが違うもん……高梨さんはこんな下品な匂いしないもん……」

涙が止まらない花純はしゃくりあげながら子供のような声で拗ねる。

「おおっ。そこに気付くとはさすが花純だ。わざとコンビニで安物の香水買ってつけてみたんだ」
「バカッ!! それに、さっきの声だって……」

戸惑いながら花純は高梨の顔を見詰める。

「ああ、これか?」

高梨はポケットから小型の録音機を取り出すとボタンを押して見せた。
「イクのか? レイプされてイクなんて変態過ぎる女だな」という先ほどの言葉が再生される。


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