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快楽の奴隷
第10章 幻のいる間
白けた顔で花純は高梨を睨んだ。

「バカじゃないですか、こんなものまで用意して!! 子供じゃないんですから!!」
「…………ごめんなさい」

叱りつけられた高梨は、それこそ子供のようにしゅんとして謝る。

「というか、この声……」
「うん……執事の曽根……」

花純の脳内にすかした顔のイケメン執事の顔が浮かぶ。

「あの人もグルだったのね……」

怒りすぎて逆に笑う花純の顔を見て、高梨は心の中で『ごめん、曽根』と謝っていた。

「本当に、よくこんなこと思い付きましたね?」
「そうだろ? レイプものってたまにあるけど女性読者の受けが悪いらしいんだ。だから恋人かもしれない男に躊躇いながらレイプされるのってどんな感じかなと思っ----」

調子よく喋っていたが、花純の冷たい視線に気付き口を閉ざす。

「誉めてるんじゃないですけど?」
「……すいません」


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