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快楽の奴隷
第11章 文士と絵師
「ここに幻野先生が来てるのは分かってるッスよ……隠してないで出して欲しいッス」
「隠すって……」

匿ってるつもりはないが、森崎に「隠してる」と言われると素直に従えない対抗心が湧いてしまう。

「何の用ですか?」
「幻野大先生が俺のイラストに没ばっかり言ってくるから来てやったんだよ」

面倒臭そうに立山が答える。

「けどまあ、いいや。あんたと会えたならそれで充分だ……」

太い眉を歪め、獰猛な獣のような笑みを浮かべた立山は花純の顎を軽く持ち上げた。

「な、何するんですかっ!?」

花純が慌てて振り払うと、その声を聞いた高梨が飛び出してくる。

「立山っ!! 花純に何したんだよ!!」
「ほら、やっぱりいた、イルマ先生」

立山は罠に嵌めてやったというような勝ち誇った顔をする。

「おい、森崎。今回はイラストじゃなくて写真にしろって何回も言ってるだろう」

高梨はイラストレーターを無視して編集者を叱る。

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