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快楽の奴隷
第11章 文士と絵師
それに高梨も本当は花純が表紙になることを望んでいた。
しかしこれ以上花純を巻き込みたくないという気持ちから、表紙は当たり障りのない写真にしようとしていた。
その思いを隠しているつもりだったが、花純には見抜かれていた。

「交渉成立だな。じゃあさっそく描かせてもらおう」

立山は鞄からペンタブレットを取り出す。
そんなにすぐに始まるとは思っていなかった花純は、緊張で喉を鳴らした。

「おい……森崎と高梨。お前たちは出ていけ。気が散って描けないからな」

立山は厳しい声で二人を部外者扱いする。

「そうはいくか……花純が裸になるのにお前と二人きりにさせられる訳ないだろう」

高梨と立山は無言で睨みあった。

「大丈夫ですから。高梨さん」

花純は高梨の手の甲に自らの手のひらを置き、宥める。

「けど……分かった。何かあったら大きな声を出せ。隣の部屋にいるからな」

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