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快楽の奴隷
第11章 文士と絵師
緊張した花純の姿を立山の鋭い眼差しが捉える。
視線はほぼ花純に固定し、手元を動かしていく。
立山はほとんどなにも喋らなかった。
座るポーズの次は立つポーズ、振り向くポーズなどを次々と取っていく。
芸術家の真剣な眼差しに晒されると、恥ずかしいという意識はなくなり、代わりに不思議な高揚感に包まれた。
そして彼の視線が向けられたところはピリピリと不思議な刺激が沸き立つ思いがした。
『目で愛撫されてるみたい……』
先ほど立山が感じたことを今度は彼女が体感する。
花純は思わず擦り合わせてしまいそうな太ももを堪えていた。

「あの……」
「ん?」

変な興奮を抑えるために彼女は立山に話しかける。

「なんでそんなに高梨さんの新作の表紙を担当することに拘ったんですか?」

花純の質問に立山は笑い、指は動かしたまま視線を花純の目に合わせた。

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