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美しい狼
第7章 生まれた狼
その日は
すごい雨だった

幼稚園には
次々と
迎えの車がきて
傘を差した母親たちが
子供の手を引いて
帰って行く

僕だけ
1人
取り残される

そこへ
執事の爺が迎えにきた

いつもなら
その手を取って

帰るはずなのに
僕は
その手を振り払って
走り出した

止まない雨の中
僕は走り続けた

でもだんだん疲れてきて

虚しくなって

びしょ濡れのまま
歩けなくなった
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