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美しい狼
第7章 生まれた狼
でも
子供ながらに疲れていたんだ

あのまま
施設で暮らしていれば
もっと子供らしく
生きていけたかもしれない

なぜ
僕を引き取った?
なぜ
僕なんだ?
なぜ
僕には父さんも母さんもいないんだ

言いようのない
孤独と絶望で一歩も動けなくなって

気づいたら
車道の真ん中だった

全てを諦めたみたいに
力が抜けて
ゆっくり
目を閉じた

「風邪引くよ!」

突然
どしゃ降りの雨が
僕を避けて降り出し

僕より少しだけ
大きくて柔らかくて
温かい手が
僕の右手を引いて
歩き始めた

「びしょ濡れだと、風邪引くよ
 一緒におやつ食べよ!」

全然知らない女の子だったけど
笑顔で僕の手を握ってくれた

死のうとしていたことに
気付かなかったのか
自殺しようとした
人間にかける言葉じゃないだろ
って思ったけど

検討違いな言葉と笑顔だから
気が抜けて
救われたのかもしれない
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