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美しい狼
第2章 女神?
「主人の藤沢要(フジサワカナメ)だ。」

私は、
今日からこの美女専属の
召使いとなりました。

同じ人間とは思えません。
なんでしょう!あの輝きは!
陶器のように透き通った白い肌
流れる様な艶のある黒髪
少し?ハスキーなハイトーンボイス
女神のような微笑み

同じ女性として分類されることを
恥じました

私が
ブツブツ独り言を言ってたら
ご主人様が
顔を覗き込んできました

「っ//近っっ
 でも、美しい…」

「逃げ出したくなったか?」

「まっまさか!!
 私に家族の命運がかかってるんです。
 簡単に逃げ出せません!!

 それに、ご主人様に会うまでは、
 テッカテカに禿散らかした
 悪代官みたいなご主人様でも
 頑張って奉公しようって、決めていたんです。

 だから、要様を見たとき
 私幸せだなぁって思いました。
 こんなに綺麗な方に尽くせるんですから。
 ここに売られてきて、良かったです。
 生きてるうちに
 絶世の美女に会えて最高です。」

はっ!
って、しゃべりすぎてしまいました。
私の良くない癖です。
テンパりすぎて
はしゃぎすぎてしまいました。

要様も困惑顔です。

「ふふふふ
 面白いね。
 おまえ、
 イジメがいありそうで楽しみだよ」


ふんわりと笑われた要様の声が
耳元で
意地悪な含みを持った声に変わりました。

「そう、お前は二度とこの屋敷から
 逃げられない。
 俺から離れられない。
 一生、その身体で俺に尽くすんだ。」

そう言うと
要様は、私の腕を強く引っ張り
部屋の奥へ奥へと進んでいきます。

「要様っ…イタイです!」

こんなか弱そうな女性に
どこからこんな力が湧いてくるのでしょう

私の力じゃ
ちっとも振り払うことが出来ません。
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