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危険な相部屋
第13章 拓海の暴走①



「外でんのめんどくせぇしなぁ…どうしようかなー」


拓海は意地悪くもそう言った。


「龍牙、俺どっか行っておくよ」

「わりぃ、すぐ話終わるから…」


相田が気を遣って部屋を開けてくれた。


「で?何のご用でしょうか?」

「さっき、俺の部屋来たよな…」

「ふっ…良いモノ見させてもらいましたね、奈緒の妹と付き合い始めたのも嘘だろ?奈緒が女なのにわざわざ妹と付き合う必要ないよな!なぁ!?」

「拓海、落ち着けよ!奈緒には事情があるんだ…」

「知らねぇよ!俺が奈緒の事好きだってわかってて心の中では嘲笑ってたんだろ!」

「は!?何でそうなるんだよ!?そんな事思ってねぇよ!…拓海頼む。俺の事どう思っても良いから…何なら殴っても良いから奈緒の事は黙ってて欲しい」

「……知るか…お前なんかもう友達でも何でもねぇよ…俺の前から消えろ!」

「……わかった…奈緒の件だけは頼んだぞ」

「……」


俺は部屋を出た。

自販機の近くのベンチで相田が待っていて、声を掛けて部屋に戻った。


「龍牙…誰かわかった?」

「やっぱり拓海だった」

「拓海君?」

「一応、黙っておくようには言ったけどアイツ今気が立ってるからあんまり刺激しないでおくよ」

「そっか…せっかく拓海君いつも良くしてくれてたのに、騙すような事しちゃったから…」

「奈緒にも事情あるから…拓海もすぐわかってくれるよ」


やはり、奈緒の性別の事は黙ってたにしても奈緒との事は言うべきだっただろうか…。


デートの相談とかあんなに乗ってくれた拓海に本当に悪い事をしたと反省した。

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