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第46章 花火デートは…

そして、先へと歩くと聞きなれた声に、また声をかけられた。


『颯太⁉︎結愛ちゃん⁉︎』


綿あめ屋の先にはまこっさんのお店。


『ヤベ…忘れてた…。』


颯太が項垂れていると、まこっさんが私に抱きついてきた。


『結愛ちゃん浴衣だ♪可愛いー‼︎』


『あ⁉︎おい‼︎まこっさん‼︎
結愛に抱きつくな‼︎』


颯太の肩にはゆうまくん。
颯太は怒声をあげることしか出来ない。


『結愛‼︎そのセクハラ親父から離れろって‼︎』


私は苦笑いを浮かべながら、まこっさんの胸板を押し返して距離を置いた。


『ところでそのチビ助は？』


「あ。迷子みたいで。そこの迷子センターに連れて行くところなんです。」


まこっさんに事情を説明すると、


『チビ助。お好み焼き食うか？
ちょっと待ってな。』


まこっさんはテントの中に戻り、私にお好み焼きを入れた袋を２つ手渡してきた。


『こっちは結愛ちゃんたちが食べな？』


『わあ♪お兄ちゃんありがとう♪』


しっかりとお礼の言えるゆうまくんに、まこっさんはニコッと笑っていた。


『うんうん。偉いなチビ助！』


「まこっさん、ありがとうございます。
いただきます♪」


『うん。結愛ちゃんも偉い偉い♪』


と頭をそっと撫でてくれた。


それを見ていた颯太はククっと笑うと、『結愛もガキかよ。』とぽそっと呟いていた。