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知代の性活
第6章 九月 身も心も濡れた夜
 風呂上りに、浴衣姿で部屋で過ごす。
 志穂はビール。知代はリンゴジュース。テーブルの上には、枝豆に冷奴。

 酔ってきたか、とろん、とした目つきの志穂は色っぽかった。
 知代は、志穂の仕事の失敗話を聞いて、屈託なく笑う。
 志穂と対照的に、知代はまだまだ子供っぽい。
 しかし、幼さの残る体は、わずかながら性の香りを放っている。


 その夜は、布団を並べて眠ることになった。
 
 電気を消しても、カーテン越しに外の明かりが薄く入ってくる。
 真っ暗な部屋が怖い知代には、ちょうどいい暗さだった。

 布団の中でも眠らず、こそこそと話し合った。
 志穂の大学生時代の話、料理教室の話など、人柄からか、志穂の話はどれをとっても面白く、知代は時間を忘れた。
 話に夢中になって、いつの間にか、隣の布団なのに、肩が触れ合うほど近付いている。

 いつか和也君とも来てみたいな。
 一緒に、こうやって布団の中で話が出来たら楽しいだろうな。

 でも、一緒に寝たら、きっと…
 エッチなこともするんだろうな。

 知代と和也はまだ、体を重ねていなかった。
 想像するだけで、切なくなる。

 性行為に嫌悪を感じ、さらに散々犯されてその思いは強くなっているが、和也になら許してもいい、と思う。

 それがいつになるか。

 きっと、そう遠くない。

 いつの間にか、話は深夜に相応しく、恋愛話へと変っていった。

「知代ちゃんは彼氏いるの?」
「はい、一応」
「へぇ、どんな人?」

 知代は和也との出会いから、付き合うに至った経緯を話す。

「もうエッチはした?」
「え…あの…」
「まだなんだ?」
「はい…」
「まだしたことないの?」
「そうじゃないんですけど…あんまり得意じゃなくって…」

 知代は自然と、義兄との関係を話していた。
 志穂が優しかったからかもしれない。初めて他人に話した。
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