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知代の性活
第9章 十二月 歌うためなら、性を、体を
 一年の終わりが近付き、街はクリスマスムードに彩られる。
 そんな中、知代は街頭でチラシを配っている。

 クリスマスに、知代は秋葉原にある小さなアイドルショップでライブをさせてもらえることになった。

 はじめ、アイドルショップのライブと聞かされ、地下アイドルのような人達が集まるのかと思い迷った知代だったが、ライブを見学させてもらい、出演を決めた。
 確かに地下アイドルのような子も出演していたが、知代のようなシンガーソングライターもいるし、男性ヴォーカルも出演していた。
 
 店の一角に椅子を並べた客席と、ちょっと立派なお立ち台程度のステージだったが、ライブ自体は盛り上がっていた。
 キャラクターで魅せる歌手はキャラクターで、歌で魅せたい歌手は歌で、自分の得意分野で観客にそれぞれのパフォーマンスを見せている。

 その雰囲気に知代は満足して、ぜひ歌ってみたい、と思った。
 何より、芸能プロデューサーを名乗る男がストリートライブをしている知代を見て、ここで歌わないかと声をかけてくれたのが大きかった。
 そういうふうに声をかけてもらったのは初めてだったし、それだけでも歌う理由としては十分だった。

 オーナーからの注文で、アップテンポの曲も歌ってほしいと言われたので、知代は寝る間も惜しんで新曲を作った。
 元々、スローテンポでしっとりと聞かせる歌を得意としている知代だったが、それにこだわらず、新しい曲調にチャレンジするいい機会だと捉えることにした。

 出演が決まってから、店のオーナーがチラシを作ってくれた。費用は店持ちだ。

 条件として、店の用意した衣装を着てチラシ配りを頼まれた。
 知代のライブの案内と、店の宣伝のチラシだ。

 ライブ一週間前、打ち合わせや新曲を視聴してもらうため、データの入ったUSBをオーナーに渡すため、知代は店を訪れ、そのままチラシ配りをすることにした。
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