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第11章 二月　性も根も果てるまで

　二月、寒さの厳しい季節。

　埼玉の奥にある、とある地域。駅から車で十五分ほど進んだところにあるそこは、自然が溢れ、近くの河原で水遊びや、キャンプ、バーベキューを楽しむ人で賑わう。
　さらに奥にはダムがあり、駅から山を通って続く道は、季節の花が咲き乱れ、サイクリストが集まってくる。
　途中には「チャリカフェ」と呼ばれる、サイクリストが集う喫茶店があり「自転車乗りの聖地」と呼ばれるパン屋がある。

　しかし、今は冬。
　キャンプもバーベキューも、そしてサイクリストも、足が遠のく季節。

　地元自治体や各店の店主は、この時期にも地域を盛り上げようと、ある企画を立てた。

　キャンプ場に即席のステージを設け、イベントを開催することにした。
　
　地元を盛り上げるためのイベント。
　その実行委員の中に、会場となるキャンプ場を提供した新堂の名前もあった。