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第12章 三月　夢を叶えた少女

　ようやく寒さが緩み、春の気配が強くなってきた頃。

　知代が高校を卒業して、間もなく一年が経つ。

　定休日の『ＡＭカフェ』のステージの上。
　そこに知代は立っている。

　知代は『ＡＭカフェ』でも人気歌手の一人となった。
　そして、裏の『ＡＧカフェ』でも。


　何人もの少女の猥褻映像を見てきた『ＡＧカフェ』の常連達からも、知代は圧倒的な支持を受けた。

　幼い顔。小さな胸。清楚で清潔な雰囲気。
　
　そんな少女から生まれる艶やかな色気。

　もっと見た目がいい少女もいるだろう。
　スタイルがいい少女もいる。

　それでも知代がそんな少女達よりも高い人気を得た理由は、知代本人にとって喜べることではないだろうが、皮肉にも、何度も何度も繰り返し犯されてきたことによって生まれた色気にある。

　どんな美少女でも、知代ほどの濃い性経験をした者はいないだろう。

　犯され生まれた色気に、また男が引き寄せられ犯す。
　その積み重ねが、知代を唯一の存在に仕立て上げていった。

　『裏』での人気が『表』での人気を押し上げ、店いちばんの稼ぎ頭になる日も、そう遠くないと思われた。


　『ＡＭカフェ』では、出演者の動画を撮り、それをＨＰに掲載している。
　店の宣伝とライブの告知を兼ねた、こちらはいたって健全な動画だ。

　通常、以前も知代が撮ったように、店の倉庫の隅に白布を釣り、その前で撮影される。
　知代のような人気出演者になると、店の定休日にステージの上で動画を撮らせてもらえるようになる。

　重倉はこの日、暖めていた計画を実行したい、と才藤に打ち明けた。
　
　重倉の野望である「ハメに行けるアイドル」を作る、そのための計画を。