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知代の性活
第14章 おまけ 性少女競艶
 朝食は宿の部屋で出される。
 夕食のように豪華ではないが、ひとつひとつの料理が丁寧に作られていて、料理教室の講師二人を唸らせた。

 腹ペコの体に温かい味噌汁が染み渡る。

 知代は和也と並んで朝食を摂り、これからはじまる楽しい時間に思いを馳せる。

 いっぱい楽しむためにも、たくさん食べなきゃね。

 和也のご飯をお代わりをそよってあげた時、こそばゆくもなんだか嬉しかった。


 午前中は志穂の車で付近を観光。
 宿で聞いた牧場に行き、搾りたてミルクのソフトクリームを舐める。
 さらに移動し、有名な石段街を上がり、名物のうどんで昼食。

 明日仕事がある和也と真紀を送るため、駅まで車を走らせる。
 二人の手にはしっかりとお土産の袋が握られている。

 知代と、志穂、英里はもう一泊するが、二人はここまで。
 自分のCDデビューと英里の卒業祝いの旅行だと聞いていたのに、ほとんど知代が主賓の旅行だった。
 
 英里は志穂と真紀と付き合いが長く、すでに卒業祝いをしてもらっていた。
 知代に気を使わせないために英里の卒業祝いも並べただけで、三人の目的は、知代とその彼氏を目一杯楽しませることだった。

 それを肌で感じたか、知代は申し訳なく思いながらも、それ以上の感謝の気持ちを持つ。

 和也といえば、元々が知代のおまけで付いて来た、という意識があるのか本人の性格なのか、この旅行では知代を立ててくれている。
 真紀は、みんなのお姉さんとして、常に気を配ってくれていた。部屋でお茶を淹れるのも、知代が好きそうな観光地を調べるのも、真紀が譲らなかった役目だ。

 二人は明日仕事だ。だからもう帰らなければならない。

 不意に知代の胸に熱いものが込み上げてくる。

 二人とも、忙しい中、私のためだけに時間を割いてくれた。
 私を楽しませ、喜ばせるために手を尽くしてくれた。

 思わず涙ぐむ知代に、真紀は笑って手を振ってくれ、和也は「今度は二人で来ようね」と恥ずかしくも嬉しい言葉をくれた。

 知代は本当に倖せだった。
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