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知代の性活
第3章 六月 断れなくて、自慰
 人生初の自慰行為。しかも複数の男に見られながら。
 その後で、今度は、これまた人生初の輪姦。
 ぐったりと重い体を引きずって家に帰ると、両親はいなく、代わりに義兄がいた。
 大学に進学するために家を出た義兄だったが、時間を見つけて帰宅したのだという。

 両親は、義兄にご馳走を振舞うために買い物に出かけたようだ。

 玄関でそう聞き、両親がいないことに知代は危惧を覚える。
 両親がいないとなると、義兄はきっと要求してくる、と。

 部屋に戻りたかったが、強く言われて仕方なくソファのリビングに並んで座る。
 少しでも時間を稼ごうと、知代は台所に立ち冷蔵庫から冷えたお茶をコップに注ぐ。 
 お茶を飲んでいる間も義兄は時間を気にしている。

「久しぶりに、してよ」

 案の定、義兄が言う。知代は首を振って拒否をした。

 体を近付ける義兄から離れようとした時、ソファの上に置いたカバンが落ち、長田に強引に持たされたバイブと、最初に言われたよりも多い金額の入った封筒が転げ出た。

 義兄はそれを目ざとく見つる。

「こんなもの持ち歩いてるの?」
「違うの…これは…」
「しかもお金まで貰って」
「違うの、聞いて…」

 義兄は自分が援助交際をしていると勘違いしたらしい。
 しかも、道具を使うプレイをしている、と。

 もう兄に逆らえなかった。

 親に内緒にしてもらうには、義兄を満足させるしかなかった。
 頭を抑えられ、口の中に含まされる。
 
 嫌悪感と吐き気と絶望。
 知代はポロポロと涙を流しながら、必死に耐えた。

 かろうじて耐えられたのは、義兄のものは今までに何度も口に含んだことがあったから。
 義兄の手が知代の頭を押し込んでは離す。知代は何一つ自発的な動きをせずに済んでいるのも、なんとか耐えることが出来る要因のひとつだ。

 それでも、嫌悪がないわけではない。
 あの頃と違って、知代はすでに大人になっている。藤井に犯され、痴漢に絶頂させられている。
 その経験は、性への嫌悪をさらに高めている。
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