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知代の性活
第3章 六月 断れなくて、自慰
 目を閉じて、義兄が果てるのを待っていた知代は、義兄がバイブを手にしたのに気付かなかった。

 今まで、口ですることはあった。その際に、体に触れられることもあった。
 でも、決して脱がなかった。

 今、義兄は強引に知代の下着を足元から引き抜き、バイブを押し込みながら、知代の顔を自分の股間に強く押し付けている。

「あぐ…うっ…やめ…んっ…」

 口を塞がれ、くぐもった知代の悲鳴が響く。

 もう義兄が満足するまでは終らない。

 体を襲う嫌悪に耐え、さらにそれを上回りそうな快感を感じながら、知代は必死に自分を保つ。
 また我を忘れてしまうのは嫌だった。

 特に義兄の前では。

 そうなったらきっとこれからも、会うたびに犯される。

 知代は意志の力を総動員して、絶頂の波を押さえ込んだ。
 快感に負けて漏れそうな声、ビクビクと波打ちそうな体。
 それを封じ込めた。

 それは、とても消耗する作業だった。
 義兄のことも今の自分が置かれている状況も、一瞬頭から消えるくらいに。

 だから不意に、口の中に射精された。

 嫌な臭い、嫌な味、嫌な温度。

 知代は泣きながら、口に出されたものを吐き出した。

 この日のこの行為は、知代のフェラチオへの嫌悪をより強くした。
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