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知代の性活
第4章 七月 少年達の果てない性欲
 和也には、この春から高校生になった雄二という弟がいる。
 和也に似て、部屋で過ごすほうが好き、という少年だった。

 ある日、午前中休みの和也と、また部屋でのんびりと過ごした。
 
 雄二も自分の部屋に友人を招き、どうやらゲームに興じているらしい。
 
 和也が出かけるのにあわせて、知代も帰ろうと思っていた。
 一緒に玄関まで行くと、雄二が見送りに来た。

「雄二、宿題は?」
「これから、やる…と思う」
「相変わらずだなぁ。今日は宿題のためにみんな集まったんじゃなかったっけ?」
「そうなんだけどね。ちょっとゲームがいいところで」

 面目なさそうに頭をかきながら言う雄二に、知代も笑いを漏らす。

 みっつ年下の雄二は高校一年生。
 知代と和也は、高校一年生の時に知り合って、グループ学習で数人の友人と和也の部屋に来た時に、当時中学一年生の雄二にも会っている。

 それ以来、道ですれ違ったりするたびに、きちんと挨拶をしてくれるような、そんな男の子だった。

「あ、じゃあさ、知代ちゃんに見てもらえば?」
「え、私?」
「うん。知代ちゃんって、勉強出来たよね」
「まあ、普通、かな」
「え、知代ちゃんが教えてくれるの?」

 雄二は期待を込めた目で、知代を見ている。
 多分、宿題をしなきゃ、と思いながらも、ゲームをしているうちに、はじめるきっかけを見失ってしまったのだろう。

 そういう気持ち、分かるな。

 知代は、微笑ましく懐かしく、自分の学生時代を思い出す。
 まだ三ヶ月しか経っていないのに、もう随分昔のような気がする。

 それだけ、この三ヶ月、いろんなことがあった、ということかもしれない。

「わかった、いいよ」

 知代は和也を見送り、雄二の部屋へと向かう。
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