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莉愛菜と彼の主従関係~あなたのために~
第5章 予兆
「莉愛菜、上に行くか?」
「うん、行きたい。」
海斗と手を繋いで、昔拓海様と鞠子様が作ってくれた街を見渡せる丘に行った。
あたしがお墓参りに来ると必ず寄る場所。
景色が綺麗でゆっくりできて、ママが近くにいて、大好きな場所。
街を一望できる場所には小さなベンチがある。
そこがあたしのお気に入り。
海斗と並んで座って街を眺める。
今日は少し秋の香りが混じってとても天気が良い日。
気温も丁度良くて、なんだかまったり気分になる。
「本庄さんと来たかっただろ。」
海斗の言葉に顔を向けると、海斗がまっすぐあたしを見ていた。
少し心配そうな顔で。
「パパと来たかったけど、でも海斗が一緒に来てくれたからいいの。」
にこっと笑って返せば、ホッとしたように笑ってくれた。