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莉愛菜と彼の主従関係~あなたのために~
第5章 予兆
もう息が限界と思った時、やっと海斗の唇が離れた。
肩で大きく息を吸い、荒い吐息と共に海斗を見上げると、海斗はまったく息を乱していない。
いつも思うけど、どうして?
あたしはこんなに乱れてるのに。
「か、いと。…はぁ、はぁ…こんなとこで、嫌だよ。」
息を切らしながら言うと、
「ははは。さすがにこれ以上はしないよ。
莉愛菜の母さんが見てるからな。」
そう言ってあたしを優しく抱きしめた。
海斗の背中に腕を回して必死に呼吸を整える。
「今のでも充分恥ずかしいよっ。」
本当にママが見てたらって思ったら気が気じゃない。
それでも海斗は楽しそうに笑った。
「莉愛菜、不安にならなくていい。
お前に言えないのは、今は言うべき時じゃないからだ。」