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莉愛菜と彼の主従関係~あなたのために~
第5章 予兆
そしてなんとか重役達の説得はできた。
これでひとまず混乱は避けられたようだ。
急ぐ必要は無いのかもしれないが、俺と莉愛菜の関係を理解してくれる人間が増えるのはありがたい事だ。
こんな事に俺が奮闘していると、莉愛菜が知ったらどう思うだろう?
莉愛菜は結婚なんて考えていないかもしれない。
まだ22歳だ。
でも、いずれ莉愛菜には伝えよう、俺の気持ちを。
莉愛菜の母さん、桜さんの墓前でも誓った様に。
”莉愛菜を一生大事にします。”
雷の鳴るこの季節でも、俺の隣にいる莉愛菜は幸せそうに笑ってくれるから。
その笑顔は俺が守ってやりたいんだ。
この時までは思っていた
このまま何事も無く平和な日々が過ぎて行くと
たくさんの試練を経験した俺達に、やっと平穏な日々が訪れるんだと
でも、この世界はそんなに甘いもんじゃない
どんなに愛し合っていても
ちょっとした誤解やすれちがいで
人間はいとも簡単に脆くなる
それは俺も莉愛菜も同じだ
その不穏な空気は
俺達の知らない所で増幅し
静かに近付いてきていた