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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第5章 願い事~莉愛菜~
「願い事、書かなくていいのか?」
楽しそうにあたしを見下ろす海斗。
「願い事。今までにお前が短冊に書いた願い事の中でまだ叶ってない物があるだろ?」
それって、もしかして……
「覚えてるの?」
「”大きくなったらかいとお兄ちゃんとけっこんするの!!”だろ?」
悪戯に笑った。
「覚えてるなんて思わなかった。」
「あれはびっくりしたからな。
あの頃の莉愛菜はよく言ってた言葉だけど、まさか短冊にまで書くとは思わなかった。
しかも、願い事なのに”けっこんするの!!”って。
普通”けっこんできますように”だろ?
願い事ってか、決まりごとだな、あの書き方は。」
「あ、あれはまだ小さかったから。
いつも言ってた言葉をそのまま書いちゃったの。」
「だからあれは願い事じゃなくて決まりごとだな、お前が決めた。
だからまだ叶ってないんだ。」
「え?」
「でも、再度願う必要は無い。」