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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第6章 願い事~海斗~
あんな風に言っていた事を莉愛菜は覚えているんだろうか?
ふと思って聞いてみた。
「願い事、書かないのか?」
すると、ポカンと口を開けて俺を見る。
俺が更に告げると、とても驚いた顔をした。
”覚えてるの?”
だと?
俺が莉愛菜の事に関して覚えてないわけないだろ。
あんな可愛い願い事、嬉しかったに決まってる。
だからしっかり覚えてるよ。
一語一句しっかりな。
莉愛菜が書いた願い事は、まったくお願いしてる文章じゃなかった。
”大きくなったら、かいとお兄ちゃんとけっこんするの!!”
もうこれ、決定事項だな。
いまの俺としてはかなり都合が良い。
あの時は、ただ単純に嬉しかった。
だれかに一番に思われるのはこんなにも幸せなことなんだとわかった。
大人になった今、あの願い事を叶えることができる歳になった。