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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第7章 熱~莉愛菜~
「風邪をひいて熱が出るとだれでも心細くなるから、その時のりーちゃんは寂しさを我慢できない程に誰かに縋りたかったんだろう。」
いつも笑顔の莉愛菜。
周りに心配かけまいと振る舞う姿は健気だが、俺には全てを見せてほしいと思う。
「今、こうなってるのは坊ちゃんがこの2日間いなかったのが寂しかった証拠でしょう。」
”愛されてますね”
そう言って佐々木は部屋を出て行った。
俺のベッドルームは、俺と莉愛菜の二人だけ。
たったの2日間。
それだけなのに、俺も莉愛菜もお互いの存在が無い事が寂しくて仕方がなかった。
俺だけじゃない。
莉愛菜も同じだ。
なんだか俺達似てるな。
莉愛菜は俺が気に病まないように平気なふりをして送りだしてくれたんだろう。
昨日、莉愛菜はどんな気持ちで一人の夜を過ごしたんだろうか?
腕の中、苦しそうに息をする莉愛菜を見下ろす。
華奢な身体がいつも以上に脆く見えた。